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お金を使わない、新しい経済システム
L.E.T.S/レッツってなに?
 

L.E.T.SはLocal Exchange Trading Scheme=LETS 日本では地域経済振興システムと訳されています。LETSは地域のコミュニケーションを活性化し、お互いが助け合い、生き甲斐を持つ地域づくりを目的にした、地域経済システムです。海外では1500ヶ所以上の地域で利用されており、地域のコミュニティーを活性化させ、自立した地域づくりに役立ちます。

 資本主義は富の蓄積により豊かさをもたらしましたが富の集中をもたらし差別化によって自給経済を根底から変え依存型の経済を作り出しました。豊かな人はごく一部で貧しい人が大半を占めるようになりました。

このことは経済を縮小し地域を活性化のない経済に変えてしまいます。貧富の差がより拡大するのは資本主義の問題点です。貧富の差は働かないから貧しいのでなく経済機構が作り出す必然なのです。そして多国籍企業がその地域から富を持っていってしまい 資金をためた人は他の地域に投資するという悪循環が続きます。その地域はますます貧しくなります。この資本主義の問題点を70%解決するのがLETS システムです。

 日本には結いという制度がありました。農家では田植えなどの時労力を提供します。そしてまた労力でお返しをします。現代のようにお金だけでの決済システムではありませんでした。貧しいけれども豊かさや助け合いの精神が地域を支えていました。LETS システムはこの結いの心を数値として現したものだと思っていただければいいかと思います。

 LETSの特徴は、参加者が地域内で利用できる地域通貨をつくり、現行の通貨と併用して利用できるしくみになっていることです。LETSのメンバーは会報などを通して、自分が援助できるか、または他のメンバーが求めているサービスや物品を見つけて取引きをしますが、その時の支払いに地域通貨を利用できるため、現金の支出が少なくてすみ、また支払う料金も当事者同士が話し合って自由に決めることができます。

つまりLETSは、地域で暮らす人々が相互援助できるための、大きなコミュニケーションボードのような役割をしており、お互いが困っていることや求めていることを、地域内で助け合って生活していくための支援システムといえます。

LETSを導入した地域では、現行の貨幣と併用して地域独自で決めた地域通貨を利用します。地域通貨は一般の貨幣とは大きく違い、紙幣や貨幣に該当するものは発行せずに、取引記録を残すための、小切手や一覧表のようなものを使います。

LETSを利用するには、まず事務局に、地域で自分が受けたいサービスや物品の内容と提供できるサービスや物品を登録します。メンバーは、登録された内容をもとに、お互いが連絡して話し合い、内容を価格を決めて取引をします。取引でサービスや物品を受けた人はマイナスのカウントがつき、逆にサービスや物品を提供した人はプラスのカウントがつきます。

そのため取引記録を合計すると、プラスマイナスは常にゼロになります。そして、プラスを増やしていっても、利子はつきませんし、マイナスになっても利息ははらいません。つまりプラスの人は、地域で役に立っている人で、マイナスの人は困っている人といえます。

このように、LETSではメンバー同士がコミュニケーションをして取引をするため、お互いの顔が見える関係が生まれ、地域の結びつきが高まります。
 

RAINBOW vol 2(1998年刊)などから編集