ライフスタイル見直しフォーラム2002
人類生き残りのためのライフスタイル ■開催団体 :特定非営利活動法人レインボー
●あいさつ
私たち人間の生活によって地球は荒廃し、私たち自身の生命の安全も危険にさらされています。地球規模の環境破壊が注目されてから数十年になります。97年の世界温暖化防止会議でCO2の削減が採択されたもののその後の対応はおくれるばかりです。 また、私たちの生活も未だ従来の大量生産大量消費型のライフスタイルを続けています。 いま、私たちのライフスタイルを変え持続可能な社会をつくっていかなければ、私たち人類の未来はありません。 このライフスタイル見直しフォーラムを契機に持続可能なライフスタイルについて考え、一歩づつ生活に根ざした行動をしていきましょう。
グループワーク 1
───参加者に、人類が滅亡するとしたらどのような場面で滅亡するか、を書いてもらい、それを受けて自由討議が行われました─── ●人類滅亡のイメージとしてあげられたものからいくつかご紹介 ・自身では、「滅亡はない」と思っているが、
●自由討議に出た意見からご紹介 ・メソポタミア文明は、都市をつくりそして支えた広大な森林の枯渇により滅びた。文明が滅ぶのは資源の使い方の問題。家畜の飼いすぎで餌が無くなるなど。枯渇を招くと生産が出来なくなる。資源の持続的な使い方が大切。今の経済原則で良いのか? リサイクルでは出来ない事も多い。 ・環境を守ろうとすると経済負担が生じる。水や空気は無料という考えからの脱却。 ・水の問題。黄河は枯れている。 石油ほどではないが、地下水は貯めるのに時間がかかる。ダム、河川改修などで地下に水が行かない。水辺は文明発祥の地。 ・水の汚染、食べ物の汚染。例えば魚。養殖はコストがかかるし奇形がおこる。危険性のことで、餌の詳細は明かされないため問題。100円寿司は安全だろうか? 致死量ではないが、蓄積する? タイの過密養殖。海老の養殖池の水が真っ青。餌を食べさせるための色素を入れて大きくなって太る。商品の履歴をはっきりさせることが必要。 ・子供の頃は食べ物を粗末にするなといわれたが、都会では食べ物を粗末にするお母さんが増えている。これは食べ物を生産する体験がなく、土から作物が出来るというリアリティを持っていないため。生産と消費が分断している。リアリティ不足は子供のやる気のなさと繋がっている。食らいついてくる野性の不足。今の子供は、少し間違えただけでショックを受ける。食物・自然体験など生きていくためのリアリティを取り戻すため教育はますます重要。 ・キューバ はソ連が倒れて以来、化学肥料、毒性の殺虫剤や除草剤を手にできなくなり、この自然のなりゆきから、キューバは世界で最もクリーンな農産物を生産し、 200万都市が有機野菜で自給している。彼らのやる気はどこから来ているのか。社会主義国だからという訳でもない。日本は明治に変わる時に何が生まれて何が失われたのか。 ・人間は自らつくりあげた文化的な環境によって身体的にも特殊な進化を遂げた
・現在、日本では精神が原因による病気が増えている。しかし、これは食生活に問題があるのかもしれない。日本はもともと肉をそれほど食べない食文化。日本の伝統が消えてしまったことによって、精神的な力を失ったのではないか? 食を変えるだけでもかなり効果がある。ネイティブアメリカンが世界で一番自殺者が多いのは文化と伝統が崩れ去っているから。継ぐ人もいなくなっている。 ・イヌイットも自殺者が多い。イヌイットは鯨を食べる文化。鯨をみんなで考え直したい。鯨は増えている。間引きすべきでは? 科学的データで見られないのか? 日本の政府が出すものと、外国は全然違う。 鯨を守るというプロパガンダ。集票力があるが偏っている。欧米は鯨問題では感情的 になる。 鯨は親近感がある。食文化、犬を食べる国もある。全体に折り合いをつけるにはどうしたら良いか? ・西欧人は人間と神とは違った系を作っているという認識を持っている。例えば捕鯨問題では西欧人の場合「牛や豚は家畜であり人間のサイクルの中に取り込まれているが、鯨は自然のサイクル、神のものである。」という認識。日本人とは根本からずれている。日本人は、相手の文化をてきとうに受け入れる。 ・今の社会の前提になっている考え(例:人権、ヒューマニズム、平等etc…)に問題があるのではないか。またその前提になっている考えを生み出す教育のあり方の問題。
・文化、価値観など国によってばらばら→問題意識の共有をどう行って行くか? NPOのネットワークしていく流れをつくる。教育 マスコミの果たせる役割も大きい。 ・例えば都会の人は田舎を持っている人を見るとうらやましいと感じる。逆に田舎の人は都会をうらやましいと感じる。お互いにないものねだりをしている。都会と田舎はそれぞれが足元を見つめ、励ましあう関係になれるといい。 さいごに ・様々な問題を持ち帰るということが重要。来年またやるのでそれぞれ持ち帰って考えてほしい。
グループワーク 2
───文明が持続可能でなくなる代表的な要因として森林の破壊があります。ここでは人類生き残りのためライフスタイルを探るケーススタディとして世界と日本の森林破壊状況を打開する国産材普及のための座談会が行われました。─── ■本グループワーク趣旨
国産材普及のかけ声は、団体・企業を問わずそこここで聞かれるにもかかわらず、その声をまとめて、より現実的でトータルな販促が行われているとはとてもいえません。 国産材は日本の風土にあっています。また高級品ではありながら消費者が思っているほど高くはなく、建材も家具も紙も割箸も素材は出揃っています。ブランディングのようなよく考えられた販促戦略さえあればすべての分野で外国材を上回る売上を出せる可能性も持っているはずです。 ブランディングとは広告代理店業界がよく使用する用語で、ブランド確立を促進する意味でスポンサー名又はスポンサーの商品名を認知させ、イメージアップを図ることですが、単に、商品やサービスを提供することではなく、そのブランドでしか創れない価値を提供し、この価値を日々大きくし、消費者との絆をより強いものにしていくことです。
問題点の洗い出し、モデルエリア作成、マーケティング、生産、流通、販売、広報戦略等々、ブランディングのためのトータルな魅力ある提案をするべく、その最初の一歩として座談会を行い、その可能性を検討しました。 ■日本の森林は使われずに荒廃している
これは、例えば食糧は、食糧安全保障の観点からも、輸入制限にある程度は成功しているの対し、木材は輸入制限もなく、国産材が外国材に押され、昭和30年にはほぼ自給していた木材が、現在は自給率20%を下回り、80%以上を輸入材に依存するような状況になってしまったためです。 日本は高度成長期に産業用の植林を全国的に施し、人の手でつくった森林(人工林)が、全森林面積の半分を占めるほどにもなりました。 1度手を加えてしまった山林は管理し続けなければ保全できません。現在、日本では大規模に人工林の間伐(森林を育てるため木を間引くこと)を行ない、その材(間伐材)を使う必要があるのですが、国産材が使われなくなったため、多くの人工林が荒廃に向かっています。 活用されなくなった人工林は、木の枝が伸び放題となって、陽が射さず下草が生えず、病害虫にも弱くなり、土をつかむ根が細り、雨が降るたびに剥き出しの地面は削られます。そのため倒木、土砂崩れ、洪水などの災害も生じやすくなり、やがては山林全体も崩壊し、川と海の生態系をも同時に壊してしまいます。 ■日本の林業は崩壊ぎりぎりの状況
様々な意味で重要な日本の山林と林業が、ともに崩壊ぎりぎりの所まで来ているのです。 ■急速に破壊されるオーストラリアの森林と
伐採される森の中には古くから豊かな生態系を育くんできた貴重な天然林が多く含まれ、政府が天然林の保護に失敗していることに、オーストラリア市民団体は強く抗議しており、「木材チップ用伐採に反対するための行進」などもオーストラリア各地で行われています。 ■急がれる国産材の活用 森林は木や草と土が地下水に水を導き入れ貯える働きをしているため、大雨のときには土砂崩れなどを防ぐばかりか都市洪水をも防ぐことができます。 日本の山林活用によって産出される木材は永続利用の可能な貴重な循環資源でもあります。また日本は地球温暖化防止のために世界に6%の温室効果ガスの削減を宣言しましたが、その2/3は日本の山林活用によって達成することになっています。 ●グループワーク 意見の要旨 「森、林、水への思いを、論ずるより行動を」
●認証林に関して
森林認証の問題点
●何故、国産材は売れないのか
「家の値段は材料の値段ではない。国産材にはリスク(未乾燥、狂い、供給問題)などリスクがある。それが値段に返ってくる。リスクを減らしていくことが大事。失われつつある職人技にカバーを期待するのではなく、工業生産に対応した商品作りを」
●何故、国産材なのか1
●再度、認証制度の問題点
●何故、国産材なのか2
●国産材のブランディング
ブランド化には大企業のPRが不可欠
*ブランド化…ブランドを作る=囲い込み的発想
「何故、国産材を売らなくてはいけないのか」森林の手入れを持続させるため環境林であれば間伐の必要性はなくなる(成長を競い合わせて良質な木材をとるのが目的ではないのであるから、最初から計画して間引いた植林をすればよい)。林業を維持していくためにも(人と山との関係において)経済林として成り立たせていくべき。そのためのブランディングであるべき→世界規模の森林保全に繋がってゆく ●木材に対しての質疑応答
「国産材は何故、製紙用ウッドチップに使用されないのか」
●まとめ 今後の展開
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