朝 日 新 聞  
1997年11月25日付
東 京 新 聞
1997年11月21日付
毎 日 新 聞 
1997年11月25日付
毎 日 新 聞  
1998年9月19日付
テクノに乗って「温暖化防止」  
 来月1日から始まる温暖化防止京都会議を盛り上げようと24  日、非政府組織(NGO)などの呼びかけで、若者たち約6000  人が東京・渋谷、原宿の街をパレードした。会議への首都圏の  市民の関心はいまひとつで、若者を引きつけるにはこれしかな  い、と、主催者が招いたのはミュージシャンやクラブDJらだ。シ  ュプレヒコールのかわりに、テクノ音楽に乗って奇抜な服装の若  者たちが踊り歩く、異色のデモンストレーションとなった。 
「ストップ!地球温暖化大パレード実行委員会」の実行委員は、以前、国会議事堂前で温暖化防止を訴えたときの市民の関心の低さから、今回のパレードを思い立った。 
PRのチラシは中学、高校のほか、渋谷周辺の若者が集まりそうな店に配った。パレードは、コンサートなどの後、代々木公園を  出発、若者向けの店が並ぶ後援通りなどを約1時間かけて歩い  た。トラックの1台には、若者に人気のDJ.KEISUKEさんが乗り、大音量でテクノ音楽を流した。
熱気球 ◇…「地球温暖化京都会議(CおP3)を成功させよう」――。NGO(非政府組織)などが主催して二十四日、東京の代々木公園で開く数万人規模の「レインボーパレード」をPRしようと、高校生らが二十日、JR原宿駅前でチラシを配った。     ◇…青山学院高等部や和光高の高校生のほか、NGOスタッフら約四十人が参加。「京都会議成功を願う」の横断幕を先 頭に、五十㌢四方の布に環境保護のメッセージを書き込ん だ「キルト・メッセージ」約二百枚を掲げて竹下通りを歩き、 チラシ約二万枚を学校帰りの高校生らに配った。        ◇…パレードの実行委員になっている青山学院高等部二年 、桜井愛子さん()は「私たち若い世代が動かないといけな い問題。皆で楽しみながら、考えていきたい。パレードに参 加を」と呼びかけた。 京都会議へ向け
東京でレインボーパレード
 
  
来月1日から開催される気候変動枠組み条約第3回締約国会議(地球温暖化防止京都会議)への関心を高めようと24日、「ストップ!地球温暖化。いい虹(にじ)かけよう レインボーパレード」(同実行委員会主催)に約3000人が参加し、東京・原宿周辺をねり歩いた。思い思いの横断幕などを掲げ「温暖化はだれの身にもふりかかる問題、京都会議に向けて、私たちの思いをアピールしましょう。」と訴えた。代々木公園で行われたオープニングセレモニーでは、青山学院高等部2年の桜井愛子さんら高校生7人が、「環境問題は大きな問題だけれど、前向きに考えて、少しずつ行動しよう」と呼びかけた。ステージでは女優の中野良子さんの歌やレゲエ演奏などが続いた。 
                            
夢を追う「地球温暖化を訴えパレードする」
小林一朗さん
地球温暖化防止京都会議を前にした昨年11月、地球温暖化  防止を訴える若者らが東京・代々木公園を中心に行進した「レインボーパレード」。今年は、シンポジウム、自然素材の服のファッションショー、薪能、雑誌発行、ラジオ番組への出演など、多彩な催しが企画され、京都、金沢、水俣など全国10都市以上で関連イベントも行われる。
 昨年に続いて実行委員会事務局を務め、事務を仕切る小林一朗さん(28)は、ボランティアらと準備にてんてこ舞いの毎日だ。
 大学卒業後、半導体のエンジニア、排水処理会社の研究員などに就いた。2年前から環境問題を勉強したり、自然農法を試したりしていたが、石油を大量に消費しながら汚染物質の処理技術を開発することに限界を感じた。「汚染物質を出さないよう努力することを訴えることこそ必要」と考えて退職し、レインボーパレードの運営に参加した。パレードでは、カラフルな衣装の若者たちが原宿、渋谷の目抜き通りをテクノ音楽に乗って踊って行進し、遊び心にあふれたイベントになった。
 しかし、非政府組織(NGO)のメンバーとして参加した京都会議で討議された削減目標は、温暖化を止めるのに必要とされる値を大幅に下回った。政府代表団との感覚のズレを感じ、会合で「国の合意に関係なく、僕らは2000年までに温暖化ガスの排出量を1990年比で20%減らす」と宣言した。
  その後自分の生活を見直し、水道の蛇口は必ず締める、電気製品のコンセントは抜く、生ゴミは畑に戻し、いらないものは買わない――など、個人でできる排出削減策を実践した。自分の出す二酸化炭素の量を計算すると、1人当たりの平均排出量を30%も下回ったという。
  昼間は事務局で働き、夜は居酒屋でアルバイトする日々。会社をやめ、持ち物を減らすにつれ、心が自由になったと感じている。「参加した人が楽しくないと環境問題への関心は高まらない。パレードでは楽しみながら環境問題に関心を持ち、いろいろな人が発するメッセージに触れて欲しい」